顎関節症ってなに?
顎関節症とは、顎の関節や物を食べる時に使われる筋肉(咀嚼筋)に痛みが出たり、顎の関節を動かした時にジャリジャリなどの雑音がしたり、口を開け辛くなり顎の動きに異常が出たりする、主に慢性的な症状を総称して顎関節症と言っています。
日常で、皆さんが分かりやすい症状だと
- 口を開けたり閉じたりする時の痛み
- 関節の雑音
- 口が開け辛くなる
という三大症状があります。
顎関節症には主に5つの分類が存在します
1型・・・咀嚼筋の障害(顎の筋肉)
原因:心理的ストレスで歯ぎしり、噛み締めによって起こる筋スパズム(筋肉の痙攣や痙縮など)が原因です。
2型・・・慢性外傷性病変
原因:主に使いすぎによって顎関節を構成している靭帯、関節包、関節円板などが損傷するなどが原因です。
3型・・・顎関節内障(顎内障)※もっとも頻度が高い
原因:顎関節を構成している関節円板(関節面の緩衝材)に異常をきたす事が原因とされています。
4型・・・変形性顎関節症
原因:関節面の歪みや関節面に骨が入り込んでしまったりなど。変形性と聞くと変形性股関節症や変形性膝関節症を聞くことが多いと思いますが、顎でも同じことはおきます。ですが他の変形症と比べて見た目や触ったくらいでは判断がつかないことが多いです。
5型・・・1〜4に該当しないもの
原因:色々な検査をしても原因が不明なものや1〜4型に該当しないもの。主に精神的なものや神経の問題などと考えられていますが、原因が不明なことが多いとされています。
※1〜5型の原因の内1つが原因になってることは少なく、ほとんどの場合で複数の原因が重なっています。
女性の顎関節症は多い
顎関節症で医療機関に来院される方で、女性は男性の3〜4倍、実際に顎に何か不調を持つ方はこの何倍もいると思われます。年齢は10代半ばから増えていき20〜30代がピークになります。なぜ女性に多いか、その理由は残念ながら解明されていません。おそらく女性の周期的なホルモンバランスの乱れや精神的ストレス、男性より靭帯や骨が弱いなどの理由が考えられています。来院される方で女性の方が多いのは女性のほうが健康への意識が高いことも挙げられます。
症状の程度はさまざま
症状が軽い場合
「少し顎の調子が悪い」と感じるような軽い症状だと日本人の2人に1人がなっていると言われています。皆さんも一度は顎が変だなと感じたり顎を大きく開けた時にガコッと変な音を聞いたことがあるかもしれません。でも少し時間が経てば良くなったとか、知らないうちに治ったなど軽い症状のものも多く、ほかって置いて自然に治るものもあり、必ずしも悪化するするものではありません。適切な治療を行えば、ほとんどの場合は良くなります。
症状が重い場合
重症化すると、めまいや痛みなど全身に及び、開口障害により食事の摂取が困難になったり精神的にも影響を受けるなど、日常生活に支障をきたすほどの症状に苦しむ患者さんもいて、場合によっては手術となることもあります。
30代以降で来院患者数が減少するのは顎関節の変形はあってもそれに慣れてうまくつきあえるようになるため、などといわれます。しかし、近年患者数が増加していることを考えると、最近の若年層に顕著な食習慣、生活習慣などにも関連があると考えられるのではないでしょうか。
コメント