慢性疼痛とは
慢性疼痛とは、強い痛みの持続や神経の傷害(ニューロパシー)によって起こるとされており、血液やMRIなどの検査で原因がはっきりしないにも関わらず痛い、もう治っているはずの組織損傷がいつまでも痛い(一例として複合性局所疼痛症候群”CRPS”など)、今はもう存在しないはずの部位に痛みを感じる(幻肢痛”Phantom Pain”)などの治療の難しい慢性的な痛みを主訴とし「痛みそのものが病気になってしまった」病気です。
かつては、医師から「心の問題」、「気の持ちよう」と言われ、心因性とみなされた患者の多くが含まれていた可能性が高いものです。
慢性疼痛に鍼灸治療は効果がある?
医学の進歩によりその原因や治療方法が解明されつつありますが、現在のところ慢性疼痛に対する決定的な治療薬は開発されておらず、オピオイド系の薬物(モルヒネ等の医療用麻薬)も効果がありません。
しかし、鍼灸療法は慢性疼痛に対する有効な治療方法の1つとして、その鎮痛効果の生理学的な作用機序の研究結果や、治療実績などから注目されています。
また、鍼灸療法は慢性疼痛そのものの発症を、その急性期の痛みを短期間で取り除くことにより防ぐことができます。
現在のところ慢性疼痛に対する最良の対策は、新たな慢性疼痛を作り出さないことです。
鍼灸療法は、発症してしまった慢性疼痛に対しても、またその予防にも大変有効です。